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まずバス事業者に対しては、バスは中間的な交通手段であるという利点を強調してきましたが、果たして中間的なメリットが活かされているかというとそうでもないということになっているようです。メニューを沢山揃えて欲しい。だいたい決まった形で定員も同じで多少差があっても余り変わらないということではなく、もう少し画期的なメニューを揃えて欲しいと思います。朝のモーニングセットというのがありますが、トーストにコーヒーに卵というだけでは寂しい、定型過ぎるのはチョイスが広がらないので、パンでもクロワッサンでもテーブルロールでも沢山欲しいし、コーヒーにもいろいろあるはずです。そのように早さの点でも快速とか高速とか先程のエブリコーナーのような細かく止まるバスも欲しいと思いますし、サイズも5〜6人程度のものから80人とか2台連結等あると思います。それを都市のサイズや状況に応じてメニュー揃えをしていただきたいし、それを許すような規制緩和に繋がればさらによいと思います。
市民に対しては、観念として環境に目覚めよといっても現実面としては進まないと思いますので、一つの提案ですが、ドライバーが持ち点制度になっていて違反すると持ち点がどんどん減っていくというような感じで、環境貢献度持ち点制度通信簿のようなものをつくったら良いと思います。マイカーを持っている人はそれだけで2点減るとか、法的拘束力はいらないと思いますが、どれだけ環境に貢献しているのかとういうことが点数化されることにより、日本人は偏差値社会ですからそうなると非常に頑張るのではという気がします。

 

●藤田コーディネーター

 

太田さん、今の福井さんの発言にありましたバス事業者の方にもやることが沢山あるのではということですが、その点いかがでしょうか。

 

●太田先生

 

いろいろな事例を基調講演の中で報告しましたが、幾つかの技術的な可能性は増えており、それを使えるような場面が上手く整備されていないのかと思います。低床バス、ノンステップバス、低公害バス等の様々なバスにしても最初にお金の制約があるということは判りますが、それにしても新しいサービスの工夫の余地があるのではないでしょうか。その部分が抜けている感じがします。
バスの啓発活動にしても、チューリッヒに行って聞いた話ですが、如何にこの街は公共交通に便利な街かということを示すために新しく都市へ移ってこられた転入者が転入登録をしたときに、その人のところに3日間なら3日間の公共交通の無料パスを差し上げ、車があったとしても都心へ行くときには公共交通で全く苦労しない、こちらの方が便利だということを体験してもらうというような制度は非常に参考になると思います。
同じようなことですが、企業の新人社員の方や大学生である街へいった時にこのようなものがあるということを最初に紹介する仕組みというのがなかなかないようです。我々の大学の学生は学生といってもアルバイトでお金を貯めてマイカーを買い随分使っているようです。最初に大学へ入る時の交通機関としてこのようなものがある、学生のパスとしてこのようなものがあるとい

 

 

 

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